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「年金制度改正法が成立したってニュースで見たけど、結局うちの給料や将来の年金にどう関係あるの…?」
「社会保険料、これ以上増えるのはちょっと厳しいんだけど…」
特に、給与明細の控除欄を見るたびに「また保険料が増えている気がする」と感じている方には、他人事ではないニュースだと思います。
こんにちは、SHINです。給与明細の控除欄を見て「また増えたか…」と感じたのは、私も同じです。今日はこの「年金制度改正法」を、エンジニアらしく数字を分解しながら整理していきます。
今日は、2025年6月に成立した「年金制度改正法」について、「社会保険料の負担が増えやすい会社員」の目線でやさしく整理します。要は「保険料の負担」と「将来もらえる年金額」がどう変わるかという話。エンジニアらしく、数字も一緒に分解しながら見ていきますね。
※本記事の内容は、厚生労働省が公表している資料(2025年6月13日成立の年金制度改正法)をもとに、執筆時点(2026年7月)の情報でまとめています。今後の政省令や施行状況によって数字が変わる可能性があるため、最新情報は記事末尾の公的な一次情報もあわせてご確認ください。
2025年に成立した「年金制度改正法」って何が変わったの?
いつ、何が決まったのか
正式名称は「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」。長いので、ここでは「年金制度改正法」と呼びますね。2025年5月に国会に提出され、6月13日に成立しました。数年に一度行われる、年金制度の定期的な見直しの一環です。
ポイントは、制度全体が一気に変わるわけではなく、項目ごとに施行時期がバラバラだということ。早いものは2026年4月から、遅いものは2029年9月からと段階的に切り替わっていきます。
制度改正の主なポイントをざっくり一覧
今回の改正はいくつもの項目を含んでいますが、会社員に関わりが深いものを大きく4つに絞ると、こうなります。
- 厚生年金の標準報酬月額の上限引き上げ(2027年9月〜段階的に、高年収層の保険料・将来の年金額に影響)
- 在職老齢年金の支給停止基準額の引き上げ(2026年4月〜、働きながら年金を受け取る高齢者向け)
- 社会保険の加入対象拡大(いわゆる「106万円の壁」の撤廃)(企業規模要件・賃金要件の見直し)
- 私的年金制度の拡充(iDeCoの加入可能年齢引き上げ、企業型DCの拠出上限の見直しなど)
このほかにも、遺族年金の男女差解消や、将来の基礎年金の給付水準を底上げする措置なども盛り込まれていますが、今回は「高年収の会社員」に直接効いてくる部分を中心に、深掘りしていきます。
高年収会社員に直結する「標準報酬月額」上限引き上げ
上限が65万円→75万円へ、2027〜2029年で段階的に
厚生年金保険料や将来の年金額は「標準報酬月額」という、月給を区切りのよい金額に置き換えた数字をもとに計算されます。この標準報酬月額には上限があり、月収がどれだけ高くても上限を超えた部分には保険料がかからず、年金額の計算にも反映されません。現在の上限は65万円です。今回の改正では、この上限が段階的に引き上げられます。
- 2027年9月:65万円 → 68万円
- 2028年9月:68万円 → 71万円
- 2029年9月:71万円 → 75万円
背景にあるのは「高い賃金の人ほど、負担も年金額も賃金に見合っていない」という課題です。上限に達している人はすでに男性会社員の約1割にのぼるとされており、今回の見直しはこの頭打ち状態を是正する狙いがあります。
ママ上限が上がるってことは、単純に保険料が増えるだけってこと…? ちょっと不安なんだけど。



負担が増えるのは事実だよ。でも大事なのは、増えた保険料の分、将来もらえる年金額も一緒に増えるという点なんだ。単なる負担増ではなく、「賃金に見合った年金にする」ための見直しだと捉えるとイメージしやすいよ。
保険料はいくら増える?モデルケースで試算してみる
ここで、エンジニアらしく数字を分解してみます。厚生年金保険料率は18.3%で、これを会社と本人が半分ずつ負担する「労使折半」の仕組み。本人負担分は9.15%です。
仮に、標準報酬月額がすでに上限(現行65万円)に達している会社員を例にすると、2029年9月に上限が75万円まで引き上げられ、標準報酬月額が10万円分上がった場合、10万円 × 9.15% = 約9,150円/月が本人負担の増加額の目安です。厚生労働省の試算でも「本人負担は月額約9,100円増」とされており、この単純計算とほぼ一致します。年間では約11万円の負担増で、決して小さな金額ではありません。
増えるのは負担だけじゃない、将来の年金額も増える
ここで終わると「負担が増えるだけの改悪」に見えますが、忘れてはいけないのが受け取る側の年金額も増えるという点です。同じ試算では、先ほどのモデルケースで将来の年金支給額が月額約5,100円増えると見込まれています。
つまり今回の改正は「今の負担を増やす代わりに、将来の受け取りも増やす」、保険料と給付をセットで見直す制度変更です。目先の手取りだけを見ると気が重くなりますが、「払った分がちゃんと将来に戻ってくる設計か」という視点で捉えると、少し見え方が変わってきます。
「働きながら年金」がもらいやすくなる、在職老齢年金の見直し
支給停止基準額が50万円台→65万円へ(2026年4月〜)
「在職老齢年金」とは、老齢厚生年金を受け取りながら働き続ける人を対象に、給与と年金の合計が一定額を超えると年金の一部または全部が支給停止になる仕組みです。この「支給停止基準額」が、これまでは月50万円前後でしたが、2026年4月からは65万円に引き上げられます。基準額が上がるほど多く働いて稼いでも年金を減らされにくくなるため、”働き控え”を減らす狙いがあります。
正直なところ、30〜40代の私たちには「今すぐ関係する」というより「将来、年金を受け取りながら働き続けるとしたら」という話です。それでも「長く働くほど年金が減らされる」という不安が薄れる方向に制度が動いていると知っておくと、老後の働き方を考えるうえで安心材料になります。
「106万円の壁」撤廃で、社会保険の入り方が変わる
何が変わるのか
今回の改正では、短時間労働者が社会保険(厚生年金・健康保険)に加入するかどうかを判断する基準の一つだった「賃金要件(年収106万円以上)」が撤廃されます。あわせて、これまであった企業規模要件も段階的になくなっていく方向です。
これにより、パートやアルバイトの方でも一定の労働時間の条件を満たせば、収入額にかかわらず社会保険に加入しやすくなります。加入すると手取りは一時的に減りますが、将来の年金額が増え、傷病手当金などの保障も受けられるようになります。
共働き世帯への影響も、あわせて考えたい
我が家のような共働き世帯にとっても、これは無関係な話ではありません。配偶者の働き方を「扶養の範囲内に収めるか、それとも社会保険に加入してしっかり稼ぐか」という判断基準が変わってくるからです。



「106万円の壁」がなくなるなら、もう年収を気にせず働いてもいいってこと?



賃金の壁は気にしなくてよくなる方向だけど、労働時間などの加入条件は残るから、そこは確認が必要だよ。ただ、「世帯全体でどれだけ安定して稼ぎ続けられるか」を考えるいいきっかけにはなると思う。うちも、夫婦それぞれの働き方を「稼ぐ力」の観点であらためて見直したことがあるよ。
夫婦の働き方や世帯年収の考え方について、以前こちらの記事で詳しくまとめています。あわせて読んでみてください。
▶ 【稼ぐ力】世帯年収を支えるのは、投資テクニックよりも「夫婦の連携」
iDeCo・企業型DCも拡充。「増やす力」の選択肢が広がる
iDeCoの加入年齢引き上げ・企業型DCの拡充
代表的なのがiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢の引き上げで、現行の65歳未満から70歳未満まで延びる見込みです。掛金は所得控除の対象になるため、長く働く予定がある方には非課税で積み立てられる期間そのものが伸びる、恩恵の大きい改正です。企業型DCがある方も、掛金の上限に関する見直しが行われる方向で、詳細は今後の政省令を待つ段階です。
私自身も、毎月の資産公開の中でiDeCo・企業年金の残高を管理しています。「税制優遇を受けながら、将来の年金を自分でも育てる」という発想は、会社任せの年金だけに頼らないための備えになると考えています。詳しくはこちらの記事もどうぞ。
▶ 【2026年6月資産公開】総資産がついに1.2億円台へ。夏のボーナスと「見える化のもう一段」
iDeCoやNISAをまだの方は、まず口座の準備から。我が家も楽天証券に一元化していて、管理画面が見やすくポイントも貯まるのでおすすめです。
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まとめ:制度の変化を知ることが、いちばんの守る力
2025年に成立した年金制度改正法のポイントを振り返ります。
- 標準報酬月額の上限が65万円→75万円へ段階的に引き上げ(2027〜2029年)。高年収層は保険料負担が増える一方、将来の年金額も増える
- 在職老齢年金の支給停止基準額が引き上げ(2026年4月〜)。働きながらでも年金が減らされにくくなる
- 「106万円の壁」が撤廃され、社会保険の加入対象が拡大。共働き世帯の働き方にも影響
- iDeCoの加入可能年齢が70歳未満に拡大するなど、私的年金の選択肢も広がる
社会保険料が上がると聞くと「また負担が増えるのか」とネガティブに受け止めがちです。私自身も、給与明細の控除欄を見るたびに複雑な気持ちになります。ですが今回調べてみて感じたのは、「負担」と「将来の給付」は基本的にセットで設計されているということ。仕組みを知らずに漠然と不安がるより、数字の中身を分解して理解しておくほうが、必要以上に恐れずに済みます。
制度は今後も変わり続けます。だからこそ目先の増減に一喜一憂せず、公的年金にプラスして自分たちで積み立てる「もう一つの年金」を、オルカンやS&P500への淡々とした積立、iDeCoといった形で育てておく。それが制度変更に振り回されないための、いちばん確実な備えだと考えています。
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参考・出典
年金制度改正法の詳細・最新情報は、必ず以下の公的な一次情報もあわせてご確認ください。
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00017.html
- 厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00022.html
- 厚生労働省「厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00024.html
- 日本年金機構「在職老齢年金制度が改正されました」:https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/zairoukaisei.html
※本記事の数字(保険料負担・年金額の増加試算等)は、厚生労働省が公表した制度改正案に基づく試算を参考にしています。実際の金額は個人の標準報酬月額や制度の施行状況により異なります。本記事の情報は執筆時点(2026年7月)のものであり、今後の政省令等により内容が変更される場合があります。




