「インデックス投資が一番効率が良いと聞くけれど、画面の数字が増えるだけで本当にお金持ちになっている実感がわかない……」
「将来のためにお金を貯めるばかりで、今を楽しめていない気がする」
投資を始めると、誰しも一度はこのようなモヤモヤを抱えるのではないでしょうか。
こんにちは、SHINです。私は現在、メーカーのエンジニアとして働きながら、約8,000万円の資産を米国株中心に運用しています。
こうして数字だけを見ると「順風満帆に資産を増やしてきた人」に見えるかもしれませんが、実は過去にたくさんの失敗や遠回りを経験してきました。
今回は、投資の正解と言われる「インデックス投資(投資信託)」一本ではなく、あえて「非効率」と言われることもある「米国高配当ETF」をポートフォリオに混ぜている理由をお話しします。
理詰めで考えがちなエンジニアとしての視点と、一人の人間としての「心地よさ」を両立させた、私なりの投資哲学です。
なぜインデックス投資信託が「最強の王道」と言われるのか?
まず前提として、純粋な「資産を増やす効率(【増やす力】)」の観点だけで見れば、分配金を出さない国内のインデックス投資信託(オルカンやS&P500など)が最適解であることは間違いありません。
なぜなら、そこには圧倒的な「税制上のメリット」があるからです。
投資信託と米国高配当ETFの「税金」の比較
エンジニアとして、まずはシビアに税金と手間のコストを比較してみましょう。
- インデックス投資信託(国内):
- 課税の繰り延べ効果: ファンドの内部で配当金が自動的に再投資されるため、途中で税金が引かれません。税金として消えるはずだったお金もそのまま次の運用に回るため、「複利の力」を最大限に活かすことができます。
- 米国高配当ETF(VYM、HDV、SPYDなど):
- 税金の二重課税: 分配金が出るたびに、まずアメリカで10%が引かれ、さらに残った金額に対して日本で約20%の税金がかかります(※特定口座の場合)。
- 確定申告の手間: 「外国税額控除」という手続きを行えばアメリカの10%分の一部は取り戻せますが、会社員にとっては少し面倒な作業です。また、自身の所得によっては全額を回収できないケースもあります。
「1円でも多く、1年でも早く資産を最大化したい」という純粋な数字のゲームとして捉えるなら、高配当ETFを選ぶのは明らかに「非効率」です。
理論を知りながら、私が「高配当ETF」を組み合わせる3つの理由
それなのに、なぜ私はVYMやHDVといった米国高配当ETFを買い続け、インデックスとの「ハイブリッド戦略」をとっているのか。
それは、投資が単なる「冷たい数字の計算」ではなく、「感情を持った生身の人間が、何十年も続けていくもの」だからです。私が大切にしている3つの理由をお伝えします。
① 「投資の実感」が、暴落に耐えるガソリンになる
インデックス投資は素晴らしい手法ですが、良くも悪くも「画面上の数字」が変動するだけです。
一方で、高配当ETFは年に4回、リアルな「現金(キャッシュ)」が自分の口座に振り込まれます。
- 自分の労働とは関係なく、お金が働いてくれた成果が目に見える
- ◯◯円の不労所得があれば、今月の電気代やスマホ代が賄えるという実感が湧く
- 株価が暴落して画面上の資産が減っている時期でも、「株数さえ維持していれば現金が入ってくる」という強烈な心の支えになる
この安心感があるからこそ、私は相場の良し悪しに一喜一憂せず、投資市場に残り続けることができています。
② 【使う力】を発揮し、「今」という最高の時間を犠牲にしない
資産形成の最終的な目的は、通帳の数字を増やすことではなく、「人生を豊かにすること」のはずです。
老後の1億円のために、子供が小さくて一番可愛い「今」の時間を極限の節約で切り詰めるのは、私にとっては本末転倒でした。
高配当ETFから得られる分配金は、我が家では「使ってもいいお金」と割り切っています。
- 家族でちょっといい外食に行く
- 子供たちと一緒に旅行に出かけて思い出を作る
- 自分の趣味や自己投資に気兼ねなく使う
将来への備え(増やす力)をガッチリ固めつつ、現在の幸福度(使う力)も同時に高めてくれる。高配当ETFは、我が家にとってそんな夢のようなツールなのです。
③ 将来の「資産取り崩し」という大きな精神的ハードルをなくす
将来、十分な資産ができた後に待っているのが「資産の取り崩し(出口戦略)」です。
インデックス投資信託だけで資産を作った場合、毎月自分で「投資信託を売却するボタン」を押さなければなりません。
せっかく何十年もかけて大切に育ててきた資産が、毎月減っていくのを見るのは、想像以上に大きな精神的ストレスになります。
一方、高配当ETFであれば、「元本(鶏)を売らずに、自動的に生み出される分配金(卵)だけで暮らす」という状態を作ることができます。この「元本が減らない」という圧倒的な心理的安全性こそが、長期的なリタイア生活や心の安定を支える鍵になると確信しています。
投資の正解は、他人のデータではなく「自分の納得感」にある
最後に、インデックス投資と高配当ETFのどちらが向いているかを整理しましょう。
| 手法 | 向いている人 | 得られるもの |
| インデックス投資信託 | 理論上の最大効率を求め、老後へ向けて一直線に資産を増やしたい人 | 将来の大きな資産 |
| 米国高配当ETF | 日々の安心感を得ながら、今の生活の質(QOL)も向上させたい人 | 今使えるキャッシュと心のゆとり |
結局のところ、この論争に万人に共通する絶対的な正解はありません。
大切なのは、有名ブロガーやSNSの誰かが言っている「正解」をそのままなぞることではなく、「自分の性格や家族の価値観に合わせて、自分が一番納得して長く続けられるスタイルを確立すること」です。
新NISAが始まった今、ありがたいことに米国高配当ETFも「国内の20%課税」をゼロにしながら非課税で運用できるようになり、かつてよりもずっと挑戦しやすくなりました。
資産が8,000万円を目前にした今でも、私はこのハイブリッドなバランスが最高に心地よいと感じています。
あなたにとって、日々の暮らしが一番豊かになる投資のバランスはどこにありますか?
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